過ぎ去った時間が 凝縮された紙片 そこに居たのは、確かに自分なのだ 真白な面を埋め尽くす、乱暴な文字 不満をぶつけるように並ぶ、不揃な羅列 弱くて、繊細で、神経質なそれは、 急ぐように、追われて逃げる者の如く 苦しいのだね 悔しいのだね そして、悲しかったのだね、と あの時は誰も気が付いてくれなかった 自分さえも見落としていた叫びに 今、私が応えるよ 何一つ、癒されていないことを知ったから、 何一つ、報われないのだと諦めたから、 私のノートは、ただ真白のままに 何も綴られていないページを捲り、 今はただ、愛おしい。 大人になってしまったのだねと、 微かな抵抗が指に届く気がして、手を止める。 今の私に向き合ってみるのも、 良いかもしれない。 再び足掻いてみようかと、ペンを握る。 |
*** ひかるあしあと ***
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