■第十一章■ 
 01 多情多恨
 案の定マルコシアス山にはすでに何の手掛かりもなかったが、それから暫くして、彼等はジャスィスの居場所をなんとなく察知することができた。
 竜を見たと言う村人の話はどれも曖昧で真実味に掛ける物があったが、それでもジャスティスの居場所をそれとなく感じることができるようになったのは、彼がどこか一か所に止まっているからだろう。
 動いていると分散してしまうが彼等竜族には特有の電波のようなものがあり、遠く離れていても仲間の居場所を感じとることが可能なのだ。しかもこの電波はそれぞれが微妙に違っている。人間で言う指紋のようなもので、同じものはひとつとして有り得ない。
 だからと言ってさすがにこの広い人界ではその電波を辿ったところで再び長い旅路であることに変わりない。なにしろまだ彼等に届く電波はごく微量なのだ。随分と遠くにいるのだろう。
 彼等は何の相談も確認もなく、同じ方向へ向かって歩き出す。本能が行き場を告げていると言ってもいい。


「あ、あの、困ります」
「いーじゃない、お茶の一杯や二杯。かるーく付き合ってくんないかなぁ」
「で、でも……」
 壁に背中をぴったりと付けた少女が、今にも泣きそうに買い物籠をしっかり抱いて怯えた瞳で逃げ場を探している。
「いーじゃん。楽しくお喋りしよーって。──っいでっ!! イテ、イテテッ」
「こんなとこにいたのか、ケイエルぅ?」
 男が涙目につね上げられた腕を擦りながら、その声に恐る恐る振り返る。
「あ、あら、リリー、相変わらず綺麗だよ」
「引きつった笑顔で言われても嬉しくない」
 キッとした目で一睨みすると、そこで怯えていた少女ににっこり向き直る。
「ごめんなさいね。怖かったでしょう? 早くお逃げなさい」
 と、リリーが優しく微笑み掛けた途端、少女はコクコクと何度も頷いて一目散に人込みの中に走り込んでまもなく見えなくなった。
「さぁーて、分かっているわよね」
 座った瞳でリリーが呟く。
「な、何のこと?」
「惚けるか? しらをきるか? 逃げ通すか?」
 リリーの剣幕はこれまでにない程ピークに達している。
 今度は男が背を壁に張り付ける番だったようだ。
「よくも私に一服盛ってくれたじゃない。忘れたとは言わさないからね。それなりの覚悟はできていて当然よね。さ、いらっしゃい」
 有無を言わせぬ勢いで連れてこられたのは地下で商売している怪しい店だった。
「ここ、何の店?」
 逃げ腰で聞くケイエルに、聖母のごとき微笑みでリリーは答えた。
「女に貢いだ私達の路銀、稼ぐのは当然ね。ここならあっと言う間に稼げるわよ。頑張ってね。半年分の契約金もらっちゃったから、逃げらんないんだからね」
 と、リリーは重い革の腰袋を外して彼の前をチラチラさせた。
 かなりのお金が入っていることは間違いない。
「ほら、しっかりがんばんなさいよ、身から出た錆びと思ってさ」
 リリーがトンッと背中を押した。途端に転がり込むような店に入ると、すぐに逃げたい、帰りたい思いに襲われた。
「うわぁぁぁ! や、やだ、ヤダヤダヤダァ、俺絶対やだ」
「泣くなみっともない」
 襟首掴まれ逃げることもできないケイエルの前に、肉体美を誇るスキンヘッドの大男が現れた。
「あら、この子? なかなかモテそうな子だわね。良いわ。契約金もうちょっと上乗せしといてあげる」
 と、男は、外見とはアンバランスな言葉と、小指を立ててしまうような動作で、小さな革袋をリリーに渡した。
「ありがとう。存分に働かしてもらいなさいね」
 その革袋のしっかした感触に、リリーはにっこり微笑んで礼を言い、ケイエルに激励を飛ばす。
「じゃあ、源治名つけなくちゃならないわねぇ」
「……」
 すでにどう言った店なのかを理解したケイエルは無言で蒼白になっていた。
「プワゾンなんてどうかしら?」
「プワゾン? 素敵じゃない。それでいきましょ」
 横目でチラリと見たリリーの勝ち誇った瞳に、哀れなケイエルの姿が写る。
(な、何もたかが痺れ薬と睡眠薬盛ったぐらいで、ひ、酷すぎる)
 かくしてケイエルとリリーの姉弟は、しばらくこの町に滞在することになった。
 ケイエルの半ば人身売買のような強制労働の場所は、闇の商売では最も健全な部類に属する男が男を買いにくる場所、であった。それはまさにケイエルにとっては地獄の日々。


 その日も朝から声の掛かることを恐れビクビクしていたケイエルのもとに、あのスキンヘッドの男が早速やってきた。
 そろそろ期限も切れるころだと言うのに、やはり嫌なものは嫌、一向に慣れる気配はない。
「プワゾンちゃん、お待たせ、ご指名よん。今日のお客は凄ーくいー男。羽振りも良くってさぁ、こーんなに前金で払ってくれたのよぉ。サービスしてあげて頂戴」
 ウィンクなんぞして大男は嬉しそうに通常料金の倍はありそうな金貨に頬擦りした。
 それとは正反対に、重く暗い足取りで彼は店の中へ入って行く。
「あ、十三番テーブルよ」
 十三番、指名制のこの店は、客同士が顔を合わせることはまずない。つまりそれなりに高級な売春宿ということになり、料金も馬鹿がつくほど高く、客層も貴族や身分の高い者が多く利用している。その分そうそう頻繁に呼び出しが掛かる訳ではない。
 テーブルとは言ったが、実際は部屋と言って良い。ドアにナンバーが振られている。全部で二十部屋あり、そのうち十二番目までは使用中の目印である紫のリボンが掛かっているのを見るだけで減なりしてくるというもの。
 それでも彼はドアをノックしなければならなかった。
 大男がずっとこちらを見て金貨の束を見せ付けている。
「ふーっ」
 彼は溜め息とともに戸を叩く。
「お待たせしました、プワ……、バ、バールベリトッ?」
 いつものように源治名を名乗ろうとして彼は慌てた。慌ててドアを勢い良く閉めると、ベッドに深く腰掛け、肘を着いた懐かしい男の顔を確認した。
 長く綺麗な指に軽く支えられるように乗ったシャープな顎、妖艶とも言える美しい微笑み。
 間違いない。
「久し振りだな、ケイエル」
 その目には含んだ笑いが込められている。
「変わった男だとは常から思っていたが、本当に変わった奴だな。てっきり女にしか興味がないものと思っていたが、やはり竜族と言う訳か?」
 からかうような口調ではあってもけして攻めている訳でも、まして非難している訳でもない。
「ちがーう。こんなことしたくてしてるんじゃねぇーよぉ。リリーに売り飛ばされたのっ」
 昔馴染みの顔に再開したことで一気に彼は素に戻って砕けた態度に変わった。
「ほう、何でも一服盛られたとか盛られないとか」
「リリーがいるとロクにナンパもできないじゃん。だからちっと寝ててもらおーと思っただけなんだって。ほんの出来心って奴?」
 それについては相当反省しているらしく頭を抱え込んで唸ってしまう。
「……って、リリーにはもう会ったのか?」
「ああ、弟達を預けて来た。まさか連れて入る訳にもいかないからな。それはそうと、なんだってわざわざ降りたんだ?」
 この日のバールベリトの態度はいつもの棘々しさが半減し、柔らかく感じられた。
 いつもケイエルと話すときは彼の態度もほぐれる。やはり身内には甘いのが彼の癖なのかもしれなかった。
「別に特別な意味なんかないぜ。遊びに来たってかんじかな」
 彼もベッドの脇にセットされたソファーにどっかりと腰を据えた。
 客と酒を飲んだり話し込んだりするための豪華なソファーやテーブルも、実は初めてリラックスして座る。
「遊びに、ね」
 軽く頷きながら彼は立ち上がった。
「なんだ、もう帰るのか?」
「ああ、顔を見に寄っただけだから」
 素っ気なく答えるバールベリトに、ケイエルはすがりついた。
「お願い、もう少しここにいて。俺もう他の指名来るのやだからさ、それにサービスしろって言われてんだ」
 こんなにはやく帰られてはあの不気味なスキンヘッドに何を言われるか、とにかくもう少しこの場に止まって欲しかった。
「構いはしないが、ケイエル、私と寝たかったのか?」
 真顔で、否それ以上に質の悪い綺麗で誘惑的な艶を宿した瞳でじっとケイエルに問い掛けた。
 途端にケイエルの顔が蒼白になっていくのが分かる。
「……冗談だ。私とて相手は選ぶ」
「わ……わーるかっ、かったな。相手、相手が俺、俺で」
 心持ち後ろへ後退りながらケイエルは冷や汗をかく。
「声が震えているぞ」
「ほ、ほっとけって。冗談が冗談に聞こえないんだよ、おまえの場合っ!! と、とにかく座れよ。色々話したいしさ」
 気を取り直して向かいのソファーを薦める。
「で、皆元気なのか?」
 改めて座り直したバールベリトに、グラスに注いだランデーを差し出し、自分の前には氷の氷山が覗く水割りのグラスを用意した。
「ああ、相変わらずだ。かれこれ、そうだな、もう六年にもなるか。随分いろんなことがあったからな。それなりに楽しんでるよ」
 バールベリトはさして長くも感じない旅を振り返った。
「六年か、で、見付かったのか? 叔父貴と親父。って言うと語弊があるように聞こえるな、親父の転生体」
「だいぶ近くなっているだろうな。もうすぐだとは思うよ。この旅の終点も」
 と、そこまで言った後、ブランデーグラスを暖めていた動きがピタッと止まった。
「なんだ、何か気掛かりなことでもあるのか?」
 その様子にケイエルの相談ぐらはのってやるという含みを込めた視線が見つめた。
「ああ、今一緒に旅をしている人間がいるんだが、その娘は確かに竜族の転生体なんだ。しかしな、誰の転生体か分からないんだ。それでもセティーソワル殿の転生体と親しい仲だった娘だし、ジャスティス殿の行った無益な殺生の犠牲者で唯一の生き残りでもある。ほっとくことはできんだろう?」
「……なぁ、おまえ最近うちの親父に良く似てきたな。俺やリリーなんかよりずっと似てる。まぁ、モレク様に似てるんだろうけど」
 じっとその様子を見ていたケイエルが突然ボソッと呟いた。
 確かにケイエルとリリーはセティーソワルの子供であることは知っていたが、彼等は両親のどちらとも似ていない。それどころかこの姉弟自体あまり似ていない。
 リリーはそれでもどこかしら母親に似た面影は持っているが、どちらかというと父親の面影か皆無なのだ。かと言って気にするような問題でもないのだが。
「良く言われるよ。だから私も、会ってみたいんだろうな、セティーソワル殿に」
「そうだよな、似てる似てると言われても、本人が死んだ後だったもんな、おまえら生まれたの」
 カランッと涼しげな音を立てて氷が滑った。グラスの汗が黒光りするテーブルの上に水溜まりを広げている。
「俺達も、こんな平和な時代が来るとは思わなかったな。さすがだよ、竜王様も竜王妃様も。いるだけで国が治まるんだもんな……。もちろん戻っていらしてからの竜王様は以前にましてその、威厳とか公務に対する責任とかさ、凄いよな」
 そう言えば……、とバールベリトは思った。
 ブランデーを少し含んでから、彼は初めてその内容に触れてみることにした。
「父は、誰になぜ殺されたのか、教えてくれないか?」
 まるでタブーのことのように誰も触れなかった。口にするだけであの悲劇が繰り返されるのではないかと恐怖に怯える。それ程までに荒廃した竜王国の惨状。
 彼等の間に長い沈黙があった。
 はやり無駄なのかと諦めかけたころ、ようやくケイエルが重い口を開いた。
「珍しく雨が降っていた。それでも謁見の間はそれなりに賑わっていたんだ。多くの国民が自分の順番を待ってソワソワしていた……、いつもと変わらない雰囲気に包まれていたよ。広間には側近の親父と叔父貴が王と王妃、まだ正式に婚儀を済ませていなかったから、竜姫だな、を挟むように立っていた。俺とリリーは珍しく親父の仕事ってのを見に、広間の片隅で国民の様子や、王や姫の様子を伺っていた……」


 眩いばかりの高貴な姿で人形のように微笑むだけの年若き王と、姫の姿は、美しいものを愛でることを好む竜族にとって、それだけで大した効果を発揮していたと言っても過言ではなかった。
 しかし、一部では美しいだけで無能な王という噂もあることはあり、それでも国が治まっているのは有能な側近のお陰であると言われていた。
 冷静沈着な二人の側近が、起こる問題をことごとく片付けてゆく姿は見ていて確かにあっけにとられるほど気持ちがよかった。
 兄のセティーソワルが護衛を、弟のジャスティスが主治医を兼任しているようなもので、その側を離れるのは就寝時くらいなものではないか、と言われるほどだったが、あながち嘘ではなかったかもしれない。
 そして二人の目の前で、突如その惨劇は起こった。
 あと僅かに残った謁見を待つ民の中に、その男は紛れていた。
 前竜王の父、つまり先々代の竜王ノクチューンの妻であった竜王妃ブルーローズの姉であるティーローズと、ライウェンの母である前竜王妃ダナの母親と姉弟であったランソンとの息子、ナエマがそこに居た。
 しかし、彼がそこにいるなど、誰も予想できなかっただろう。なぜならナエマは前竜王妃ダナを殺害した罪で国の外れにある獄搭と呼ばれる塔に監禁状態であったはずだ。しかもその罪が癒えその塔から出られるのは、彼の死が確認されたその時であるはずだった。 けれど、ナエマはそこにいたのだ。誰も彼とは気付かずに、民と混ざって順番を待っていた。
 そしてそれは実行された。
 セティーがその男がナエマであると気付いた時、すでに彼の手には隠し持っていたのであろう短剣が握られ、ライウェンに向かって飛び込んでいた。
 一瞬の出来事だった。
 刃が斜めに降り下ろされ、肩口を抉った。それから腹部を一回、胸部一回、男は抉るようにライウェンの体を刺したそして三度目に突き刺そうとしたその時、ナエマの体が二つに裂けた。血の付いた短剣が転がり、アタラクシアの足に当たって止まった。
「ライウェン、しっかりしろっ。ジャスティス! 治癒だ。ひとりでは間に合わないっ」
 セティーが素早く傷口を覆うとうっすらとライウェンの金の瞳が開いた。
「セ、……セティ、ア、アタ……シ…、ア……を、た、……た…のん……」
 フッと力が抜けた。
「……ッ、ライウェンっっ」
「アタラクシアッッ!」
 側近である二人の叫びは同時に竜王と竜姫の死を告げた。
 刺されたライウェンばかりに気を取られているうちに、ライウェンの血で濡れた短剣で、竜姫が自害したのだ。
 その死は瞬く間に国中の知るところとなった。
 ナエマはダナとそっくりだったライウェンを、いつも恐怖で見ていたのに違いなかった。
 どれ程愛しても愛し返されない想いが狂気と変わり、ダナを殺した。そして自分を愛さなかったダナと同じ顔が優しく微笑んでいる相手も、やはり自分ではない。だからこそ、ナエマは二度ダナを殺した。
 ライウェンを刺しながら、男はダナの名を叫んでいたのだ。それからのことは二人の側近の指示で速やかに様々なことが決定し、早速実行に移されることになった。
 ライウェンの姉アクラシエルに代理の王座を任せ、アタラクシアの兄レールデュタンに、必ず連れ戻すと約束し側近役を願い、そして二人は下界に旅立った。
 即位したばかりで散ったライウェンを、再びこの地に呼び戻すために。それは他の誰よりもセティーソワル自身が望んだことだったのだろう。
 竜王と竜姫は不在という扱いで葬儀の類いも一切執り行なわれることなく、本来ならモレク前竜王か、もしくはモレクの兄アラストールの息子であり長男のセティーソワル自身が竜王を継ぐはずが、彼自身終始側近の地位でいることを選び、また放棄した場合の次なる後継者ジャスティスまでが、兄に倣って側近の道を選んだ。
 それから気の遠くなるような年数を費やし、彼等は約束通りこの地へ戻った。
 二人の人間に血を分け与え、約束を果たしたセティーソワルはそのまま後をジャスティスに託し弟の腕の中で息絶えた。
 その死は最期を見取ったジャスティスの歯車を少しずつ狂わせたていった。
 そして時は緩やかに過ぎ行き、現在は側近を置くことなく公務をこなしてゆく立派なライウェンが二人の側近の帰りを待っている。

「だからさ、不幸な事故、だったんだろうな。どうやってナエマが獄搭から出て来れたのか、親父はしっかり短時間に調べ挙げて始末つけて降りたしな。やっぱ、当時の竜王に不満を持ってた奴等が仕掛けたみたいだけど、親父がおとなしく竜王を継ぐわけないのにな」
 馬鹿だよなぁと言わんばかりの態度で最後を締め括った。
 当然ダナを見たことのないバールベリトとしては、父ライウェンが前竜王妃に似ているために殺されたと聞いてもあまりピンと来なかった。
 もちろん歴代の竜王、竜姫の肖像画が並ぶ部屋もあるのだから、そこへ行けば目当てとする顔に会えるだろうが、そこに入るのには少し問題がある。
 その部屋には代々竜王と竜姫だけしか立ち入れない。特別な場所ということになっているため、今の彼では到底部屋に入ることはできなかった。
「ところでさぁ、さっき人間の娘と旅してるって言ってたじゃん? その子って可愛い?」
 下心という名の好奇心で彼は乗り出すように瞳を輝かせた。
「人間の子供の成長は早いな。アタールよりずっと大人に見える。今年で十六になったらしい。名前はソフィア・ピスティス。可愛いと言うよりはあれは美人というタイプだな」
「美人……。あの両親と双子の兄妹並びに王族の綺麗所に囲まれたおまえが言うなら確かだな。な、物は相談。俺も一緒に旅したいなぁー」
 媚びる猫のようにバールベリトにじゃれるケイエルに、極上の微笑みが返された。
「仕事、まだ契約途中なんだってな」
 その一言は、彼をずっしり重い現実に引き戻すのに、少々ショックが大きかったらしい。
 どーんと一気に落ち込んだように見えた。
「まぁ、あと一年程掛かる予定だから、勝手に追い付いても構わないが」
「ほんとか?」
 立ち直りは早かった。すぐさま浮上した顔は、生きる望みを持った男の顔になっていた。
「相変わらず単純な……」
ボソッとバールベリトが呟いた。
 「何か言ったか?」
「いや、何も。それじゃあ私はそろそろ失礼する。弟達が心配するといけないからな」
 そう言って彼は立ち上がり、物静かに穏やかな笑みを残して部屋を出ていった。
 

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